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命のバトン浜松のブログ
静岡県浜松市内でこどものBLS(心肺蘇生法)やけが・病気の応急手当・こどもの事故予防の講習会を開催する市民団体です。ブログでは日々の活動や想いをつづっています。
4学会が連名で声明
新型コロナウィルスの第7波の勢いが止まらず、浜松市内でも感染者が増え続けています。

市内の発熱外来や総合病院の救急外来には、発熱者が次々に受診と検査に訪れる状況で、本来の救急医療に支障が出ています。
浜松市内から119番にかけた時、7波の前はダイヤルして発信音が鳴るか鳴らないかの前に「119番消防です・火事ですか?救急ですか?」とすぐ応答してましたが、先日、119番通報した際、すぐに繋がらず、台風で浜松大停電になった時と似た状況を思い出しました。
それだけ通報が多いということを改めて知るとともに、発熱している方からの119番通報を受けて出動した救急隊が病院が決まるまで1時間、現場で受け入れ要請の電話をかけ続けていた事実も身近でありました。

119番通報は、救急車だけではありません。
火災・救助も119番通報です。東京のように通報しても電話が繋がらない・繋がっても救急車がいつ来てくれるか分からない、東京に限らずどの消防でもそれに近い状態になっています。
今は、救急車に目が行きがちですが、火災や救助で119番通報しても繋がらなければ、消防車を出動させることもできないのです。

今の状況は、完全に災害モードであり、通常の体制でどうにかなるというレベルをすでに超えています。
4学会が連名で声明を出すということは、救急医療が限界を超えていて、助かる命が助からないことがある、それは他人事ではなくいつ自分や身内、身の回りで起こるかもしれないということです。


発熱してコロナかも!?と不安になり、診察して検査してほしい、でも近くの発熱外来は予約がとれない・すぐは見てくれない・なら救急車を呼ぼうでは、救急車が何台あっても足りませんし、救急医療機関は、発熱やコロナだけを診てるわけではないので、そこにマンパワーやリソースを取られると、すぐに治療しなければいけない人が受け入れられない・助からないということに繋がりかねません。
医療は人も資源も無限ではありません。
私たち一人一人の自覚と正しい情報を得て対応することで、医療を守っていきましょう。
https://www.pc-covid19.jp/files/topics/topics-36-1.pdf
心肺停止の原因は何であれ、ためらわず心肺蘇生法をする、AEDを装着することは変わりません。
安倍前総理の襲撃事件。
治安が良いと言われる日本で銃を使い元総理が襲撃されお亡くなりなる、ニュースでの第一報を見た時、誰もが嘘でしょ!?と思ったに違いありませんし、その現実に日本国民が大きな衝撃と悲しみに包まれています。
安倍前総理のご冥福をお祈り申し上げます。
現場で心肺蘇生、AEDの操作、人やシートで壁を作って対応した方、消防・救急、ドクターヘリ、輸血の血液確保、全力で治療にあたられた医療関係者の皆様に改めて敬意を表します。

現場で安倍前総理に心肺蘇生法とAEDが使われている映像が流れて一部報道では、AEDがショックしなかったから故障していた等、誤解を招くような内容も流れていますが、心肺蘇生法は、病気・事故に関係なく、傷病者の反応がなく、呼吸してるかどうか分からなければ、胸骨圧迫を開始します。

講習で時々、質問が出ますが、具体的な病名やけがの状態を挙げてこういう時も心肺蘇生するのですか?と聞かれます。
心肺蘇生法をする前にそうした先入観みたいなものが入るとためらいが生じますし、蘇生法の着手が遅れる原因となります。

シンプルに考えて倒れた原因が何でかは分からないが、声をかけたけど反応がない・呼吸もしてるかどうか分からない、胸を押します、それでも反応がないということは、心肺停止状態であること。
倒れた原因は、搬送された病院で検査や治療の過程で分かることですし、現場で原因が分かることはまずありません。
また、AEDからショック不要のメッセージが流れたら、故障してるんじゃないか?正しく判断してないんじゃないか?と不安にかられるかも知れませんが、AEDがショック必要ですとなった時は、心臓が異常な動きをしていてショックが必要な波形を検出している時です。
AEDを装着したら必ずショックが必要ですとなるわけではありません。ショック不要となったから故障しているのではないこと。電気ショックが必要な波形ではないということです。

心肺停止の原因は何であれ、ためらわず心肺蘇生法をする、AEDを装着することは変わりません。

ためらわずと言っても、現場の安全(自分の安全確保が最優先)確保をしっかりしたうえで行うことも忘れないでください。
7月1日 AEDの日
18年前の2004年。
初めて一般の人がAEDを使えるようになったことを記念して、7月1日は「AEDの日」とされています。

当時、愛知県で開催された愛知万博で会場内にAEDが設置され、AEDを使用して救命できた事例もあり、私たちも愛知万博会場内でAEDを使い救命された方のお話しを名古屋へ聞きに行きましたが、涙なしではいられなかったことを今も忘れることはありません。
また、愛知万博がきっかけでAEDの普及が広く始まったことは、当時をよく知る人であれば、感慨深いものがあると思います。
こうしてAEDの普及が始まるとともに救命講習もAEDの取り扱い操作方法が入ってきました。

当時は、AEDの機種も少なかったですが、今はいろいろな機種が販売されています。
基本的な操作方法は変わりませんが、機種に応じた操作方法を知っておくことが大事です。


電源もふたを開けると自動でONになるタイプ、ケースを開けて電源ボタンを押すタイプ、電気ショックの量を成人と小児でスイッチやキーで切り替えるタイプ等、身近にあるAEDがどういったタイプのものかは、機会があれば見ておくことも大事です。

AEDが普及し、設置箇所も増えてきました。
講習で「皆さんの近くにあるAEDの場所を知っておきましょう」と指導員が説明することがあると思いますが、皆さんの身近にあるAEDは、365日24時間いつ取りに行ってもすぐ持ち出せて使えることは可能でしょうか?

公共施設、医療機関、学校、幼稚園、保育園、企業等、AEDは設置していても、施設の休館・会社の休日、夜間は建物が閉鎖されて中に入れない所も多くあります。
以前、休日や夜間で職員が不在で、AEDを使用する際はガラスを割って中に設置してあるAEDを取り出してもいいという所もありましたが、緊急時とはいえガラスを割ることでけがをする恐れや修理費用、セキュリティの問題もあります。
また、AEDの持ち出しは設置している敷地内の使用を前提としているところもあり、敷地外での使用や貸出しを想定していないところもあるので、使用できる時間帯以外の情報についても今後は、周知していく必要性があると思います。

私たちの講座では近くに設置してあるAEDが実際に使える時間や曜日、外への持ち出し可能かも確認しておくことが大事ですとお伝えしています。

設置はしたものの、使うことが一度もなかったから更新せずに撤去した、AED貸してくださいときたら、敷地外であっても躊躇せずに貸しますという施設もあります。

皆さんの身近に設置されているAED、今一度確認されてはいかがでしょうか?

公共施設などに設置のAED 8割以上に利用できない時間帯が | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220630/k10013696011000.html
市民向けの応急手当普及啓発で大事なこと
市民向けの応急手当普及啓発。10年前と今では大きく変わったことも多いと感じます。

代表的なものが「心肺蘇生法で女性にAEDを使うとセクハラや痴漢になる恐れがあるから手を出さない方がいい」「女性のプライバシーが」等、一般市民が行なう応急手当のハードルを上げるようなネット情報が拡散しています。

AEDの使用が一般市民に解禁された頃は、女性にAEDを使うことについて話題にのぼったこともなかったと思います。
今は、女性への応急手当を躊躇させるような内容や医療者レベルの内容を求めるような内容もネットで拡散していたり、悪意はないにしても、一部の指導する側(伝える側)が誤った認識で情報発信するケースも見受けられるようになりました。

皆さんの目の前で家族や友人、職場の同僚、外出先で人が倒れているのを見た時、冷静に対応することはなかなか難しいです。
私たちも市民向けの応急手当は、必要な内容をいかに分かりやすくシンプルに伝えるかを活動を始めてから試行錯誤しながら進めてきました。

そこに言えることは、内容を複雑化させて応急手当のハードルを上げるのではなく、応急手当の着手率を上げることです。

着手率を上げること、助けを呼ぶ、119番通報する、AEDを取りに行く、できる人は心肺蘇生をすること、救急車を誘導する等、その場に居合わせた人ができることをする、それが救命の連鎖に繋がります。

また、医療系の大学や各学校に通う学生さんが学外で傷病者対応をした際、その対応を疑問視するネットへの投稿も見ましたが、
医療系の学生さんがフルサイズのBLSを授業で学んでいる、傷病者対応に長けている方ばかりではないこと。
市民向けの講習や運転免許を取得する際の応急救護講習で学んだ知識と手技で対応することに何ら問題はありませんし、それがきっかけでしっかりと学ぼう・学びませんか?となるようにすることが大切です。

医療者レベルの蘇生や処置の話しを市民向けにするのであれば、誤解を招かないような伝え方をすることは当たり前ですし、それが混乱を招くきっかけになるかもしれないことをよく考えたうえで話なさなければいけないと思います。
私たちの市民向け講習でも、医療者レベルの話しを織り交ぜる時がありますが、その話しや内容が必要かを判断しています。


2022年6月26日(日曜日)普通救命講習Ⅰ受講者募集中。
普通救命講習Ⅰでは、主に成人を対象とした心肺蘇生法(人工呼吸、胸骨圧迫)
AEDの取り扱い、大出血時の止血法を学びます。


※講習終了後に普通救命講習修了証を発行します。

講習は、浜松市消防局の認定を受けている弊会所属の応急手当普及員が担当します。

日 時
2022年6月26日(日曜日)13:00~16:00(12:50受付開始)

会 場
浜松市中瀬協働センター.2階講座室 〒434-0012 浜松市浜北区中瀬3501-1
無料駐車場あります(台数に限りがあります) 

主  催

命のバトン浜松
http://heartlife-hamamatsu.com/index.php

受講料

無料 

定  員
4名(先着順)定員になり次第締め切ります。
(申し込み最少催行人数に達しない場合、講習は開催しません)  

申し込み受付期間
2022年6月6日~2020年6月15日まで。
※申し込み受付締め切りました。

お申し込み方法
受講を希望される方は、下記の申し込みフォームに必要事項を入力し送信してください。
https://my.formman.com/form/pc/BTsoTKVdFFJP5mvJ/


講習準備の都合上、事前申し込みがない方が当日来られても参加はできません。

講習対象者
浜松市内に在住、通勤又は通学している方

 受講のご案内(中止も含む)をメールにてさせていただきます。ご連絡は、最少催行人数に達した時点となりますので、受付締め切り後の場合もございますのでご理解いただきますようお願い致します。こちらからのメールが迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性がありますので「@yahoo.co.jp」からのメールを受信できるように設定をお願い致します。