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命のバトン浜松のブログ
静岡県浜松市内でこどものBLS(心肺蘇生法)やけが・病気の応急手当・こどもの事故予防の講習会を開催する市民団体です。ブログでは日々の活動や想いをつづっています。
バイスタンダーCPR
 9月17日付、中日新聞からの転載になります。 

 浜松市消防局がまとめた2013年の救急事案で、市民が救急患者に心肺蘇生を施した577件中、AEDを使った例が7件あり、うち4人は日常生活ができるまでに回復していたことが分かった。
 心肺蘇生による回復例は、全体で13件に上った。市消防局の担当者は、AEDが有効に使われた例として「良いタイミングで処置していた」と分析した。
 市消防局では、心肺蘇生が行われたケースは、個別に状況が異なることから前年との比較は、行っていない。
市ではAEDの使用法の勉強会を含む応急手当講習会を2013年に977回開き、約4万人が受講している。転載ここまで。

 バイスタンダー(市民救助者)の心肺蘇生とAEDの使用により救われた命があることを嬉しく思います。119番通報時、通信指令の口頭指導あり・なしで心肺蘇生が行われたかや、バイスタンダーがどの機関で誰から(消防なら応急手当指導員・普及員)心肺蘇生法とAEDの使用法を学んだかの情報もあれば、興味深いです。数からいえば圧倒的に消防の講習と思いますが、現状、心肺蘇生法を学ぶ場は、消防だけでなく日赤や民間団体といろいろあります。一番大きいのは、どこで学ぼうと講習を受けた方の意識と心肺蘇生法の手技を維持していくモチベーションの高さも関係してると思います。会社等の組織であれば個人の努力だけでなく組織の救命に対する意識の高さも関係してきます。

胸を押すか?押さないか?
 私たちの定期講習会を受講してくださった方から、心肺蘇生法で胸を押すことが大事ということはよく分かったけど、自分のお友達の子どもが倒れていて、胸を押しても助からなかったらどうしよう?周りから責められないか?という不安があります。こういった質問は、市民講習会ではよく出る質問です。医療従事者向けの講習会だったらこういう質問は、まず出ないでしょう。

 自分の身内ならまだしも、倒れているのが他人であれば、心肺蘇生法に着手するのを躊躇するのは無理もないことです。
 私たちは、こんな投げかけをします。胸を押さずに119番通報して救急車が到着するまで待つのか?わずかな可能性に望みをかけて胸を押すのか?助かる確率は、どちらが高いと思いますか?何もせずに後悔するか?やるだけのことはやったと思える行動をとりますか?
 見た時は、意識も呼吸もなくてためらわずに胸を押したら痛いと言われたら、痛みを与えたことでその人から訴えられるんじゃないか?そこで痛いと言われれば、その人は、とりあえず大丈夫ということ。

 こういった部分を講習で伝える・伝えないで心肺蘇生法への着手率は変わってくると思います。これは、市民も医療従事者にも共通して伝えなければいけない部分です。
子どもに心肺蘇生法講習を受講させたいと聞かれたら?
 子どもに心肺蘇生法講習を受けさせたい。これを聞いて指導者の皆さんは、どう答えますか?

 大人が受講したいと言えば、ぜひ受講して下さいと即答で言えるでしょう。子どもはどうですか?年齢にもよりますが胸骨圧迫する力等々、現実的なことに直面すると思います。
私たちは、子どもたちにできることがたくさんあると考えています。私たちの定期講習会では、お子さんを連れて参加されることを大歓迎です。子どもと一緒に心肺蘇生法を学べる場は、ほとんどありません。親子一緒に講習会に参加していただくことで子どもだけなく親も学ぶものは、非常に大きいと感じています。
 
 講習はとかく手技がメインになってしまいますが、胸を押すこと以外にできることもあります。胸骨圧迫できるだけの力がないから受講は無理、そんなことありません。第1回目の定期講習会では、小学生3人が力強く胸骨圧迫と人工呼吸を頑張りました。それ以外にできることも伝えていくこと、私たちが大切にしていることです。


心肺蘇生法講習で私たちが伝えていることと取り組み
 ブログにまとめてアップします。心肺蘇生法とAED、AEDが普及して心肺蘇生法とAEDは広く市民に知られるようになりました。しかし、AEDがあれば助かる、胸を押してと言われるけど助からなかったらどうしよう?責められるんじゃないか?と一部の指導者の認識不足やそこまで伝える必要はないという考え等でバイスタンダーの心的外傷に関するケアをはじめ心肺蘇生法とAEDについてしっかり伝えられていない現状もあります。私たちは、そういった現状を少しでもなくしたいという想いから、講習の中で下記のように独自の取り組みをしています。他にも取り組んでることは多々ありますが、ますばここからという重要な部分をアップしました。私たちの取り組みと同じことをされてる応急手当普及団体さん、指導者さんもいらっしゃいます。

 先日の定期講習会でAEDトレーナーの音声メッセージを聞いた受講者からの質問。AEDの音声メッセージって小さいですが実際もこんなものですか?
トレーナーではなく実機の音声メッセージの大きさを知ってもらうことも大切と感じました。実際、かなり大音量ですから。次回の講習会は、代表所有のAED実機のメッセージを聞いてもらうことも取り入れます。

 AED実機のパッドの粘着力の強さを知ってもらうことも大切と考えています。トレーナーのパッドは、講習での使用頻度が高いのでどうしても粘着力が弱くなり、マネキンにしっかりパッドが貼れずポロッと落ちてしまうことがよくあり指導者泣かせ。
私たちは、実機で使用していた未使用パッドで交換期限がきて新品に交換後の期限切れ未使用パッドを使い、本物のパッドの粘着力は、この位強いので貼り付けたらそう簡単にはがれることはありませんよということも伝える取り組みもしています。

 AEDを覚えたかった、AEDがあれば助かるんでしょ?胸を押すことが大事なのは分かるけど助からなかったらどうしよう?講習会で市民の方のこんな声を多く聞きます。
指導者の皆さん、AEDを覚えたかった、AEDがあれば助かるんでしょ?胸を押すことが大事なのは分かるけど助からなかったどうしよう?そう聞かれた時、どう答えてますか?質問してきた受講者によっては模範解答するのが無難かもしれません。しかし、AEDや心肺蘇生法に関して誤解してる市民は多くいます。それが上記のような質問となってでてくると思います。内容によっては踏み込んだ答えを出す必要がないと思っても、そういう答えを出すことによって意識が変わってきます。胸を押すと言っても何で胸を押さなきゃいけないのか?脳に血液を送るためです。ホントにそれだけでいいんですか?実行力のあるバイスタンダーを1人でも多く育てること、これが心肺蘇生法指導者の責務であると考えます。


AEDだけではありませんが
AEDがあるのに使わなかった。その場にあれば使うべきです。電気ショックが必要か必要でないかは、AEDが解析してくれます。使い方も音声メッセージに従って操作するだけです。AEDを使ったから全ての命が助かるというものではありませんが、使わないより使った方がいいことは間違いありません。

 AEDが設置されてる教育現場(学校)公共施設、商業施設等に勤めてる方は、自分たちの働いている現場で人が倒れました、119番通報したけど救急車来るまで何もしませんでしたでは、だめなのです。AEDだけでなく、心肺蘇生法がしっかりされてることが重要になってきますが、最低でも救命講習を半年に1回受講する、AEDを点検の際に実際に触って操作を確かめる等、いざという時に最善の行動を取ることが求められています。

 働く人ばかりでなく、ボランティアで子どもを預かったり、地域の人を集めてのイベント運営な関わる方も救命講習を受けておくことが大切です。


http://news24.jp/nnn/news8826184.html