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命のバトン浜松のブログ
静岡県浜松市内でこどものBLS(心肺蘇生法)やけが・病気の応急手当・こどもの事故予防の講習会を開催する市民団体です。ブログでは日々の活動や想いをつづっています。
救命講習開催の場
 応急手当普及員で「活動の場がない、資格を活かしきれてない」という方が多い現状。

 救命講習=普通救命講習でないとだめと考えてる方も多いのではと感じます。これは、修了証が出る・出ないだけのこと。講習する先で修了証が欲しいと言われて、普及員として修了証が出せるなら手続すればいいのですし、普及員として修了証を出すことができない場合(消防側の事情等で)は、修了証を出すことは出来ませんが同じ内容でできますと説明する。修了証にこだわるなら消防で開催する普通救命講習を受講してくださいとご案内するだけです。
 実際、修了証にこだわる方は結構いました。普及員が開催する普通救命講習で修了証発行ができない消防もあります。出せないから普通救命講習ができないと思わないでください。普及員になろうと思ったきっかけや志を振り返ってみれば、修了証が出せる・出せないにこだわって普及員を目指した人は、ほとんどいないと思います。心肺蘇生法を多くの人に広めたい、その気持ちがあれば、講習の時間は短くても講習を開催する場はあります。

 ある普及員の方は、消防から小児と乳児のマネキンを借りて1~2時間位で小児・乳児の心肺蘇生法の指導に行ったり、勤務時間の合間をぬって成人の心肺蘇生法のレクチャーをしたり。普及員であればマネキンや訓練用AEDを消防から借りることは、難しくありません。時間も3時間という普通救命講習の枠にとらわれなくても、自分がここをしっかり伝えたいというところをたとえ30分であっても伝えていくことが大切だと思います。

 自分一人では自信がないという方もいるでしょうが、人に教えるということは、自分も勉強するということです。これは1人の活動・組織に入っても同じです。

 私たちも活動していく中で、これは活動に必要かな?活かせるかな?と思った情報を得れば、会の中で情報を共有し、参加できる時は積極的に参加しています。講習会だけでなく、市民向けのセミナーも活動と直接関係ないと思っても、そこから活動のヒントを得ることは、結構あります。

 何度も言います。救命講習=普通救命講習ではありません。短時間でも普及員講習で学んだことを少しでも伝えていくことが自分の糧となり自信になります。消防からマネキンや訓練用AEDを借りる手続きも自分で連絡して書類を書いて提出して当日借りに行き、終わったら返却する。文字にすれば簡単ですが、実際にやってみると分かります。これもやらなければ覚えないことです。そういうところから人とのつながりができてきます。いいこと言われることもあれば嫌な想いをするかもしれませんが、これも経験して学んでいくことだと思います。

 活動も最初から順調に進むことは決してありません。時に苦しみ、1人悔し涙を流すこともあります。これらは無駄にはなりませんから、まず、自分の身の回りでできることから活動に取り組む普及員が1人も多く増えることを願っています。



 
応急手当普及員資格の活かし方
 前回のブログで応急手当普及員講習と普及員になってからの資格活用についてお話しさせていただきました。

 実際、普及員になられた方は、職場や地域で救命講習を開催したい等、それぞれ目的意識を持って受講されてると思います。資格取得後は、家庭・仕事等で思うように活動できない現状もあるでしょう。地域によっては、普及員が集って組織を立ち上げ活動してる団体もあります。今回は個人レベルで資格を活かして活動できる領域をお話ししたいと思います。

1.地域の自主防災組織に積極的に加入し自分をアピールする。
 お住まいの地域にもよりますが、災害時に活動する住民が主体となった自主防災組織が編成されています。
初期消火班・救護班・炊き出し班等、防災の日等に定期的に訓練してます。こういった組織は、今年は、おたくがやって来年はあなたねという感じがありますが、順番が回ってこなくても、お住まいの地域で自主防を取りまとめてる方が必ずいますから、自分から「私、応急手当普及員の資格を持ってますから、応急救護の講習できます」とアピールしてみましょう。自主防組織も持ち回りという感は否めませんから、自分から申し出て協力してくれる人を自主防も拒まないはず。むしろ歓迎してくれると思います。

2.消防団に入団する。
 消防団で応急手当を指導する機会は結構ありますが、消防団活動は応急手当の普及啓発がメインではないので、普及員資格を活かして応急手当の普及啓発だけをやりますというのは現状かなり厳しいと思いますが、応急手当普及啓発以外で消防団活動に興味があるなら一つの選択肢としていいと思います。
 ただし、消防団は組織ですから団だけでなく常備消防とも連携してやらなければいけないので、周りと協調性をもつことが大切になります。今は、女性団員も増えてるので女性だけの分団があったり、女性団員が応急手当普及員になり活動してる団もあります。浜松市では、女性団員が普及員資格を取得し、団員だけでなく、地域での救命講習開催や自主勉強会等の活動している分団があります。消防団の入団資格は、基本的に団のある市町村内に在住もしくは在勤になります。
 消防団の入団や活動に関してのお問い合わせは、お住まいになってるお近くの消防署へお願いします。

 2つの領域を簡単にお話ししましたが、地元だけにこだわっていると情報もなかなか入ってこないので、他地域にも目を向けて情報を集めてみるといいでしょう。

 私たち命のバトン浜松は、普及員資格は、資格があるから救命講習ができるというのではなく、それもベースにしつつ、自分たちに何ができるのか?求められていることは何か?を地域から情報を収集しそれを把握して活動に活かしていくことが大切だと考えています。 
応急手当普及員講習と普及員になってからの資格活用について
 命のバトン浜松では、代表.副代表ともに応急手当普及員資格を取得してます。
命のバトン浜松で普通救命講習を開催することは、もちろんできます。

 代表は、応急手当普及員講習を静岡市で受講しましたが、普及員名簿を静岡市から浜松市に移籍してもらい、今は地元浜松市の普及員です。当時、浜松市では応急手当普及員講習が開催されていませんでした。

 応急手当普及員資格を持っていても活かす場がない、これから資格取得を目指す方へ、応急手当普及員制度と活かし方についてお話ししていきたいと思います。

 応急手当普及員講習制度や内容は、総務省消防庁が定めてます。どこの消防で受講しても、一応全国で通用する資格となっています。認定は各自治体消防の消防長になりますが、認定を受けた都道府県以外に引っ越しても資格は、通用します。
 応急手当普及員の上位資格に応急手当指導員という資格があります。これは消防の上級救命講習まで教えられるものです。普及員から指導員へのステップアップは一応可能です。

 応急手当普及員の認定を受けるためには、総務省消防庁が通達として出したカリキュラムに則って24時間の講習を受ける必要があります。これが応急手当普及員講習。浜松市ですと3日間かけて行なわれます。

 講習内容は、代表が受講した静岡市と副代表の受講した浜松市では内容が若干異なってましたので、代表が受講した静岡市の内容ですが、あくまで参考ということで。

 1日目…普通救命講習の復習、手技の再確認。
 2日目…自分で企画した模擬講習会の発表.講評。階段を使った担架搬送、マネキンの消毒管理要領。
 3日目…普及員受講生を対象に普通救命講習の指導要領の展示、マネキンの借用要領、通信指令室の見学。

 個人的には模擬講習を何度も繰り返したことが記憶に残ってます。一緒に普及員講習を受講した皆さんは、モチベーションが高く、地域や職場等で救命講習を受け、地域や職場で広めていきたいという方ばかりで、この普及員講習がきっかけで今でも繋がりのある方もいますし、お互いに協力して救命講習を開催したこともありました。

 普及員講習会が無事に終わり、応急手当普及員資格を取得すると、普通救命講習を開催することができます。
応急手当普及員個人が開催した普通救命講習であっても消防の正式な講習ですので、開催に必要な手続きをすれば正式な消防の修了証が発行されることになっていますが、実際のところ消防によって対応はマチマチで、普及員が開催した普通救命講習で修了証を出せないところも多いようです。

 浜松市は、数年前から普及員が開催する普通救命講習で修了証を出すことが可能になりました。以前は、消防職員の立会がないとできない、普通救命講習を開催しても修了証は出せないと言われてましたが、今は遅くても開催10日前までに開催にあたって必要な書類やマネキン借用の調整と手続きを取れば、問題なく開催できるようになりました。

 これから応急手当普及員を目指す方、応急手当普及員資格で「できること」が自治体によって違う可能性が大きいです。受講する前に下記のことをあらかじめ確認した方がいいと思います。

 1.普及員単独での普通救命講習が開催できるか?
 2.修了証は発行できるのか?
 3.資器材(マネキン.訓練用AED等)の貸し出しはあるか?
 
 浜松市は、上記3点は、クリアされてるので問題ないかと思います。あとは、普及員の上位資格の指導員になれる道があるかないかも、活動していくうえでポイントになってくると思います。私の周りで消防職員以外で指導員資格を持ってる方は1名。この方は浜松市在住ではありませんが指導員になるハードルは高いかなと。しかし、普及員が声を出していけば、状況も変わってくると思います。

 消防開催の救命講習は、時間も日も決まっていて必ずしも自分が受講したいという日と時間に合致するとは限りませんが、普及員の方が職場にいる・地域にいれば、ある程度、融通が効きますので受講の選択肢は増えてきます。消防に頼みたいけど、どう話しを持ってたらいいか分からない、頼みづらいという声も聴きました。こういう時に近くにいる普及員の存在は大きいですし、救命講習を受講したいという方は、潜在的に多くいるというのが私の今までの経験から感じてます。

 普及員になって活動する場は、視野を広げれば結構あります。普及員を目指す方、資格を活かしきれてない方、ぜひ頑張ってください。